音楽著作権弁護士のブログ(仮)

音楽著作権、音楽ビジネスを中心業務とする弁護士が、ウェブ上にあまり出てこない音楽著作権情報をお届けします。

2017-01-01から1年間の記事一覧

芸能人の労働者性 ~小倉優子は本当にOLなのか

先日、公正取引委員会が、芸能人やスポーツ選手の移籍制限を内容とする契約について、検討会を開いたということがニュースとなっています。 www.nikkei.com 公正取引委員会は、3月にもこの点をテーマとしたBBLミーティングを行っており、「独占禁止法をめぐ…

チケット転売問題と法規制 ~Consumer Rights Act 2015(追記あり)

昨今、音楽業界の団体がチケットの高額転売に反対し、意見広告などを出しているほか、定価に限定した二次流通を行うウェブサイト「チケトレ - 公式チケットトレードリセール」もサービスを開始したとのことで、チケットの高額転売を巡る動きが慌ただしくなっ…

実演家の二次使用料

今回はアーティスト向けの記事として、実演家の二次使用料などについて詳しく解説することにします。以前、アーティスト活動によって得られるお金についてのエントリ*1でも少し言及しましたが、今回はより詳しく説明してみたいと思います。 アーティストが音…

JASRAC独占禁止法違反事件(後編)

最近JASRACが音楽教室から使用料を徴収するということで、あちこちで炎上していましたが、JASRACが炎上すると急にJASRAC関係の記事のアクセスが激増します・・・ 音楽教室の件もそうですが、本件もかなり専門的かつ横断的な分野の知識が必要になりますので、な…

ポール・マッカートニーと終了権制度

先日、ポール・マッカートニーが、ニューヨークで、ビートルズのメンバーとして彼が創作した楽曲の著作権を取り戻すことについての確認を求めて、Sony/ATVに対して訴えを提起したとのニュースがありました。 Paul McCartney Sues to Get Back His Beatles So…

JASRAC独占禁止法違反事件(中編)

年をまたいでしまいましたが前回の続きになります。 前編では、JASRACの放送における包括契約がなぜ問題であったのか、そして、その歴史的な背景を解説しましたが、後編では、JASRACに立入検査が入ってから本件が終結するまで、主に法的な紛争について説明し…